
今日は腸活についてのご質問が多かったので、解説していこうと思います。
「腸は第二の脳」と言われることがあるほど、腸の重要性は高く、多くの人が腸活を意識しています。しかし、そもそもなぜ腸へのアプローチが重要視されているのでしょうか?
以下の要素が関係しています。
- 腸には脳に次いで約1億個の神経細胞があり、脳からの指令がなくても独立して活動できる。
- 腸は消化・吸収・排泄など、生物の生命維持に不可欠な働きをしている。
- 脳と腸は自律神経を通じて密接に関係し、互いに影響を及ぼし合う(脳腸相関)。
- 腸は体内のさまざまな臓器と密接に関係し、全身の健康を左右する。
腸活の主なポイント
腸活を考える際、以下のポイントが挙げられます。
- 腸内細菌群(腸内フローラ)
- 発酵食品
- FODMAP(特定の発酵性食品の影響)
腸内細菌群とは?
腸内細菌群(腸内フローラ)は、腸内に生息する細菌の集まりを指します。腸活では、この腸内フローラを整えることが重要視されます。
腸内フローラは、食生活や生活環境、母親の腸内環境などによって形成され、生後3歳までにその原型が決まると言われています。腸内環境を整えるには、運動・睡眠・食事といった基本的な生活習慣が重要です。
バイオティクスとは?
バイオティクスには、以下の3つの種類があります。
プレバイオティクス
オリゴ糖や食物繊維など、消化されずに大腸まで届き、腸内細菌のエサとなる成分です。食物繊維が豊富な食品には、プレバイオティクスが多く含まれています。言葉を覚えるよりも、日常的に食物繊維を意識して摂取することが大切です。
プロバイオティクス
ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品に含まれる、腸内環境を整える善玉菌です。ただし、適切な量を摂取しないと十分な効果が得られません。
シンバイオティクス
プレバイオティクスとプロバイオティクスを組み合わせることで、より効果を発揮するアプローチです。どちらか一方ではなく、両方を意識的に取り入れることが大切です。
発酵食品とは?
発酵食品はプロバイオティクスの代表格ですが、摂取量に注意する必要があります。
代表的な発酵食品には以下のものがあります。
- ヨーグルト
- 納豆
- キムチ
- チーズ
- 乳酸菌飲料
- 味噌
- 醤油
- パン
- 日本酒
- 焼酎
発酵食品は健康に良いとされることが多いですが、塩分を多く含むものもあります。そのため、「発酵食品=健康的」と極端に考えるのは危険です。
また、SNSなどで発信される健康情報は、発信者自身がすでに健康的な生活習慣を送っている可能性が高く、一般の人には当てはまらないこともあります。実際にジムに通う方の中には、SNSの情報と自身の生活を混同し、過剰に健康食品を摂取しようとするケースもあります。
私自身もフィットネス業界に長くいるため、一般の食習慣とは違い、ジャンクフードや加工食品をあまり食べません。しかし、それが一般の人にとって現実的な生活スタイルでないことも理解しています。
食物繊維の過剰摂取にも注意
「食物繊維を摂れば大丈夫」と思うのは危険です。過敏性腸症候群(IBS)の方は、食物繊維の過剰摂取により、下痢・ガス・腹部膨満感などを引き起こす可能性があります。
FODMAPとは?
FODMAPとは、発酵性の糖類を指し、一部の人にとって腸内環境を悪化させる可能性があります。
FODMAPに分類される成分と代表的な食品は以下の通りです。
- 発酵性オリゴ糖(大豆製品・たまねぎ・ごぼう)
- 二糖類(ヨーグルト)
- 単糖類(果糖が多い果物)
- 糖アルコール(人工甘味料:○○オールと記載のあるもの)
これらの食品は、バイオティクスとして腸に良い影響を与えるとされるものも含まれていますが、人によっては悪影響を及ぼす可能性もあるため、自分の体調と相談しながら摂取することが大切です。
まとめ
腸活は単に発酵食品や食物繊維を摂ることだけではなく、
- バランスの取れた食生活
- 適度な運動
- 十分な睡眠
といった生活習慣全体を整えることが重要です。
また、SNSなどで発信される健康情報を鵜呑みにせず、自分の体に合った方法を見つけることが何より大切です。腸活を意識しながら、自分に合った健康的な生活を目指していきましょう!